睡眠障害とは
睡眠障害とは睡眠に何らかの障害が生じていることで、日常生活に支障をきたしている状態のことを指します。
「なかなか寝付けない」「睡眠の途中で目が覚めてしまう」「熟睡した感じがしない」といった、いわゆる不眠症を中心に、「日中に過剰な眠気に襲われる」「適切な時刻に就寝や起床ができない」など自覚のある症状に加えて、睡眠中にいびきをかく、無呼吸になってしまう、さらには寝ぼけたような行動をとってしまったり、睡眠中に大きな声で寝言を言ったりなど、様々な種類の症状があります。
こうした症状は日中の眠気や倦怠感、集中力の欠如などを引き起こし、仕事や勉強に支障をきたすほか、思わぬ事故につながる場合もあります。
また、睡眠障害が長期間続くと、生活習慣病やうつ病になりやすくなったり、さらには内臓に負担がかかったりするなど、健康に害を及ぼしてしまいます。
現在、成人のうち5人に1人、全国で1,500万人から2,000万人の方が不眠に悩んでいるという推計もあります。現代では、若い世代や働き盛りの世代だけでなく、高齢者の睡眠障害も増加しており、あらゆる年代の方からのご相談が増えています。 睡眠に関して、何らかのお悩みがある方はお気軽に受診ください。
睡眠障害でみられる主な症状
- 布団に入ってもなかなか眠れない
- 夜間に起きてしまい、再び入眠できない
- 朝早く目が覚めてしまう
- 熟睡できず、起きたときに疲れが取れていない
- 昼間に強い眠気を覚える
- 人から居眠りを注意されたことがある
- 就寝中に脚がムズムズするようで、よく眠れない
- 家族によくいびきをかいていると言われる
- 寝言が大きいと言われたことがある
- 眠っているときに脚がぴくぴくしていると言われた
睡眠障害の治療について
睡眠障害の治療として就寝時間や起床時間などの生活習慣の確認と改善の助言、寝具や寝室の環境等の調節の助言を行います。また、睡眠時無呼吸症候群など、睡眠障害の原因となる疾患が推定される場合は、専門の医療機関での検査をお勧めします。
不眠症の改善では原因としてうつ病などが隠れていないか慎重に判断した上で、薬による治療も行います。最近ではメラトニン受容体作動薬など新しい薬物も出てきています。従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬については依存性に注意しつつ、必要に応じて適切に使用していきます。医師の指示に従って服用してください。