address
名古屋市中区錦2丁目17-28
CK15伏見ビル2F
phone052-201-3731

パニック障害panic

パニック障害とは

パニック障害

パニック障害は何のきっかけや前触れもなく、激しい動悸や発汗、頻脈、震え、痺れ、息苦しさ、胸部不快感、冷や汗、めまいといった「パニック発作」と呼ばれる症状などがあらわれる病気です。

大声で叫びたくなったり、じっとしていられなくなったり、さらには「このまま死んでしまうのではないか」と思うほどの強い不安感や恐怖感に襲われる場合もあります。

人はもともと、大災害や命を脅かすような敵に遭遇したときに、それらから逃れるために、パニック発作と同様の身体反応が起こるようにできています。

それがなんでもない時に自分ではコントロールできずに、突然起こってしまい、日常生活にも支障をきたさしてしまうのがパニック障害です。

パニック障害の症状

パニック障害の症状としてはパニック発作以外に「予期不安」と「広場恐怖」と呼ばれるものがあります。

「予期不安」は「パニック発作」を経験するうちに、それがまた起こるのではないかという不安を常に持ち続け、さらにその発作が心臓発作など重大な結果に結びついてしまうのではないかというパニック発作に対する強い不安感・恐怖感を抱くようになってしまうものです。

また「広場恐怖」は広場だけではなく、乗り物や人混み、行列に並んでいるときや橋の上、高速道路など、「発作が起きた時、そこから逃れられないのではないか、助けが得られないのではないか、恥をかくのではないか」と不安や恐怖を感じるもので、外に出ることが恐怖となって引きこもりがちとなり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまうものです。うつ病を併発するケースもあります。

パニック障害の治療

治療にあたってはまず、パニック障害の発作では決して死ぬことはない、ということを自らしっかりと認識し、理解していくことが重要になります。そこをスタートラインとして、薬による治療や、精神療法を行っていくことが重要です。

パニック障害は脳内の神経伝達物質のうち、ほかの脳内神経伝達物質の情報をコントロールし、精神状態を安定させる働きがある「セロトニン」と、不安や恐怖感を引き起こし、血圧や心拍数を上げる働きをする「ノルアドレナリン」のバランスが崩れることで発症するとみられているため、これらの神経伝達物質のバランスを整えるための薬物治療が症状の改善に有効であると考えられています。

薬剤としては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)があります。これはセロトニンの働きを増強するもので不安感や意欲の低下を防ぎ、パニック障害を改善します。依存性や副作用も少ないもので、適切な量を適切な期間、処方していきます。他にもベンゾジアゼピン系抗不安薬、三環系抗うつ薬などを用いる場合もあります。ベンゾジアゼピン系の薬剤は即効性がある一方、依存性や薬剤耐性が生じるリスクがあるため、慎重に使用していきます。

薬物療法に加えて認知行動療法や、曝露療法と呼ばれる治療が行われる場合もあります。これは苦手な状況にあえてさらされる(曝露する)ことで、徐々に症状を改善していくものです。薬による治療で発作症状が改善されたら、外出など、積極的に苦手なものに挑戦することで治療につなげていきます。ただし、無理をしないよう、医師と相談しながら進めることが重要です。